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「普通煎茶」ってなあに?

今回、本を書いた時にも悩んだ表現の一つに、「普通煎茶」という言葉があります。

「普通煎茶」の「普通」ってなんだ?

正確に言うと、『普通蒸し煎茶』

この言葉、いつから使われてきたんだろうか?

きっと、「深蒸し煎茶」の製法が確立された、ここ40~50年のことじゃないかしら?
(勉強不足で間違っていたら、ご指摘下さい。)

実は私、この「普通蒸し煎茶」という言葉に抵抗があります。本の中でも、あえて使わず「浅蒸し煎茶」と表現しました。

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深蒸し製法: 
直射日光をたくさん浴びる台地の肉厚な茶の葉を生かすために、「今までよりも、より深く蒸す」と考え出された、業界では新製法。(あまり良い表現ではないですが、茹ですぎた野菜のように繊維を壊すということ。)

Fuka

様々な社会環境などの影響もあり、関東圏を中心に、いっきに全国へ普及した。今までのお茶(普通煎茶)とは違った、美味しさの価値観を持たせることで、世に受け入れられた。
*お茶としては、濃く濁った、はっきりとした緑色で味は濃厚でマイルドなタイプ。

 

普通蒸し製法: 
深蒸し茶が誕生するまでの、オーソドックスな製法(つまり、深蒸しと違って「普通」)。

Asa

昔は透明な黄金色、香り高く、旨みと渋みのバランスを大切にしたお茶が主流だった。茶の葉の持つ特徴を、そのまま液中に出すように作られているため、適地は山間地のような直射日光が多少少ない地域となる。

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でも、今の主流は、深蒸し煎茶になっています。
東京など消費地の小売店さんでは、「深蒸し」とか「普通蒸し」とか、はっきり分かれている訳でもなく、それらをうまくブレンドして、各店舗に合った『美味しいお茶』を作り出しているようです。

ですから、はっきりと製法別に分ける事は出来ません。
本書のP68新宿の一葉(かずは)さんのように、「浅蒸しー深蒸し」どちらの傾向が強いか?としか言えないように思います。(作り手からすれば、「これは”本当の”深蒸しじゃない」とか、言いたいことはあるかもしれませんが、私たちにとっては、茶液の色の濁り具合からでしか、判断しようがないのかも。)

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日本で「緑茶」という表現が定着したのは、

戦後「紅茶」の自由化で、どんどん輸入されるようになってきてから。「紅茶」と対比して、「緑茶」という表現になりました。

0809161

同じように考えると、
「深蒸し」と対比して、「浅蒸し」となれば振り子のようで、選ぶ方は理解しやすいのですが、なぜか「普通蒸し」。つまり、「普通蒸しがお茶の主流です。」と名付けたのかしら?

でも、時代と共に、主流が反転。
普通蒸し煎茶は、稀なお茶になりつつあります。
そして、普通蒸し煎茶はとても個性の出しやすい、作り甲斐・淹れ甲斐のあるお茶でもあります。

もうそろそろ、「普通蒸し煎茶」なんていう、
平凡な表現を止めても良いのかなと、思いませんか?

(蒸し時間が長くても、透明なお茶を作る技術を持ったすごい作り手もいらっしゃいますが、あえてそういう小さなことは含まず書きました。)


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日本茶に興味を持って、ブログに寄って下さったみなさまへ

長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございます。「マニアなお茶時間」は、半分は業界関係者に向けて書いており、一般の方には多少分かりにくいところもあるかと思います。

そのうちに、一般の方に理解しやすい日本茶のブログを作ろうと考えていますので、しばらくお付き合い下さると幸いです。日本茶のおもしろさが、もっともっと伝わるように工夫したいと思っています。

私と一緒に、もっと日本茶にはまりませんか?笑 ^m^ 
お茶って、本当におもしろいですよ♪

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コメント

「普通」は、日本語の日常会話だと「並」みたいな意味も含まれてしまうので、私も最近特に説明の時に使い方を気をつけているところでした。こちらは普通に使っていても、相手が???ということがありますね。こういう話は、またお願いします!

投稿: TTDK | 2008.09.16 15:52

鹿児島では「深蒸し煎茶」~「普通(浅蒸し)煎茶」まで幅広く作られています。どちらも魅力がありますね。一般論ですが,前者は濃厚な味と水色,後者は香り高く,じっくりと淹れることで美味しいお茶が飲める楽しみがあると思います。(一点だけ指摘させてもらうと,硬い葉は柔らかく蒸せないので最高の深蒸し茶はできません。肉厚の柔らかい葉がベストです)
通常は,これらがブレンドされて,売り手のPBとして流通していると思います。
飲み手に,いろいろなお茶の特徴を知ってもらって,積極的にいろいろなお茶を求めてもらうと素敵だと思いますね。

投稿: 折 | 2008.09.16 22:01

◆折さま
おお~!ご指摘、ありがとうございます~♪m(、、)m確かに「硬い葉」では、誤解があります。言葉選びは難しいですね。気付きませんでした。味の表現と共に、早速修正させていただきます♪また、気付いた事があったら、どんどんご指導下さい。よろしくお願い致します。
お茶に興味を持ったら、一度は源流をたどりたくなると思いますよ。その時に、どんな説明が出来るのかは、大切だと思います。

◆TTDK様
確かに、「並」と感覚が似ているかもしれませんね。専門用語を外していって、どうやって伝えるかがポイントですよね♪

投稿: ゆう | 2008.09.17 09:51

私もお茶農家に嫁いで「普通蒸し」や「深蒸し」の意味を
学んでからも、やはり「普通」という言葉を「並」(あまり
よくない?)イメージで捉えてしまいます。
普通の人は「普通煎茶」という言葉を耳にすると、
「とくに特徴のない、平凡な」お茶のような
気がしてしまいますよね。きっと。

投稿: 茶むすめ | 2008.09.18 01:07

◆茶むすめ様
本当ですね!
「普通煎茶の高級煎茶」という言葉は、日本茶を理解している人にとっては、「アリ」な表現ですが、一般の方には「???」ですよね。^^;
やっぱ、止めようよ~!と言いたい。(爆)

投稿: ゆう | 2008.09.18 23:43

店舗でもお客様からあえて「普通蒸し」が欲しいという要望もなく、結局は家庭で手をかけずに淹れて美味しいお茶、という何ともあっさりとした言葉しか出てこないのが現状のような気がします。深むしや浅蒸しにこだわっているのは私たち業界人であって一般のお客様たちはその見分けが難しい。よほど蒸しが強ければ例外ですが、深むしにもかなり幅はあると思いますし。(違っていたらごめんなさい)
ゆうさんの記事と少し離れてしまったコメントすみません。

投稿: かおり | 2008.09.19 08:36

◆かおり様
同感です。名称にこだわっているのは、業界陣だけかもしれませんね。蒸しの定義だって、地域・農家によって違いますし、正直何も正しい決まりはないですし。^^
ただ、今、日本茶のことを理解している方が少なくなってしまったのが現状で、真っ白な中に、どんな説明をしていけば、より日本茶を把握しやすくなるのか?と「伝え方」を探してしまいます。
きっと日常のお茶生活にはあまり無関係な呼び名かと思いますが、文字にしたり、人に伝える時に使いたい。本当はこんな説明をしなくても、お茶になじんで下さればありがたいのですが・・。^^
でも、結局お茶を実際に届けてくださるのはお茶屋さんですから、これからもよろしくお願い致します♪

投稿: ゆう | 2008.09.19 16:34

深蒸し煎茶vs普通煎茶ですが
荒茶の製造段階でも深蒸し~普通蒸しの明確な境はありません。
どの工場でも幅広い蒸し加減は調整できます。ただ,製茶ラインの構成は産地のスタイルによって,深蒸し茶向きとか普通煎茶向きといっただいたいの色分けはあります(平たく言えば蒸し機のタイプと粗揉機台数のバランスです)。

ふかみ会の皆さんがいる錦江町はにもう一つ,素晴らしい普通煎茶の産地があります。

錦江町は平成16年くらいに,深蒸し茶の産地である大根占町と,山深い普通煎茶の産地である田代町が合併した町なんです。

鹿児島県の錦江町田代地区の品質重視の普通煎茶,お薦めです。
普通煎茶は,奥の深さがありますね。

投稿: 折 | 2008.09.19 23:09

◆折さま
へえ~!そうなんですか。錦江町は魅力的な町ですね。
田代茶が飲んでみたいですが、折さまお薦めの田代茶ってありますか?ぜひご紹介ください。
どうしたら、折さまと連絡が取れるかしら?

投稿: ゆう | 2008.09.20 14:26

某大阪のお茶屋さんが言ってたように、「普通蒸し煎茶」あるいは「普通煎茶」の表現は、一般人には「並蒸し煎茶」「並煎茶」と捉えられるようです。
中国で呈茶した時も、「ふーん、普通ね」という反応でした。

消費者側は蒸し時間の長さを表していているとは思わないでしょう。お茶の作り方を知らない人が大半だもの。

誤解を生むようなお茶の名前は、もう止めてほしいなあ。
あー、いろいろあるなあ。

さて、大阪では、浸す時間が短くすむのを売りにして、深蒸し煎茶も売られていますが、京都では、ほぼ見かけません。

おもしろかったのは、京都会場の日本茶インストラクターの実技試験の茶種見極めで、深蒸し煎茶を粉茶と思った人もいたことです。私も一瞬そう思いました。あれは特に粉っぽい深蒸し煎茶よね?

それぐらい関西には馴染み無いんです、深蒸し煎茶。

投稿: ティー太 | 2008.09.21 01:12

◆ティー太さま
静岡にいると、どうしても東を向いてしまう会話が多くなってしまいますが、京都では確かにないのかもしれませんね~。それもまた京都らしいのか。^^
そうそう!「消費者側は蒸し時間の長さを表していているとは思わない」同感。
もう一つ言えば、蒸し時間を示しても、それがどんな意味・影響を持つのかが、わからないから、さらに意味不明かもしれませんね。
ところで茶種見極めの深蒸し茶、そんなに粉っぽかったんですね~。

投稿: ゆう | 2008.09.21 22:33

興味を持っていただいてありがとうございます。
田代の普通煎茶ですが,茶時期にほとんど茶市場へ出荷されますので,今はちょっと手に入りにくいですね。来年の新茶時期なら手に入ると思います。

投稿: 折 | 2008.09.23 09:10

◆折さま
ではでは、来年予約します。^^
でも、荒茶は苦手なのですが・・・。ふかみ会さんたちみたいに仕上げがあるといいな~。ないならば仕方がないですけれど・・・。
春にまた、お声をおかけ下さい。

投稿: ゆう | 2008.09.23 14:22

こんにちは
日本茶講座(日本茶インストラクターになりたての9期生です)を受講したいと思うのですが、
これからのご予定はありますか?
 横浜在住です。

  安楽 和子

投稿: 安楽 | 2008.10.09 23:30

◆安楽さま
合格おめでとうございます。難関を突破されて、すごいですね♪
日本茶講座ですが、今個別の講座を休ませて頂いているんです・・。せっかくお問い合わせいただいたのに、すみません。
もう少し資料や頭の整理をしてから、日本茶講座を再開したいと思っています。その時はぜひ・・。m(、、)m
よろしければ、まずは11月30日の講演会にいらしてください。「出来る限り遠い昔の日本のお茶生活を知る」ことは、「目からうろこがポロリ」な出来事が多いんですよ♪

投稿: ゆう | 2008.10.10 23:06

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